Archive for October, 2009
ぼくらの頭脳の鍛え方 ‐「高次元」の言いたい放題の快感
対談形式を活かしてみんなに是非読んでほしい本を紹介する、という切口を逆手にとって、ふつうは遠慮するようなこともどんどん言ってのけている。思わず口がすべったなと思わせるところなどを読んでいると、アドレナリンが全身を走る。そういう痛快な本だと思う。
ここに登場するそれぞれの本を実際読むかどうかは別として、今回の立花隆と佐藤優のやりとりはインプットしておいたほうがぜったい得である。お互い譲れないところは妥協していないから、こちらのクリティカルシンキングの栄養にもなるはずだ。
特に感じたのは、論理的に劣勢になったときにさらりとかわすことの重要性である。どちらもその戦術を巧みに駆使している。
少し長い引用になるが、お二人の暗黙の了承をお願いして、あの乃木大将のことをめぐっての件を紹介しておく。
立花 僕は、二〇三高地の勝利で、日本人は悪いことを学習してしまったと思っているんです。殺されても殺されても、鉢巻き締めて、突撃していくわけですから、あれぐらい馬鹿げた戦法はない。乃木希典は日本を誤らせた最初の人間だと思う。バカの一つ覚えのような決死隊の突撃をくり返させた乃木は部下の大量殺戮者ですよ。あの乃木を朝野をあげてほめたたえたところから、日本人の戦争観は狂ったものになってしまった。太平洋戦争末期にバンザイ攻撃による玉砕戦法がくり返された愚も、みんなあの乃木のバカをほめたたえてそれを陸軍の伝統にしてしまったところからきている。乃木は自分の過ちを知っていて、天皇の赤子を殺して申し訳ないという気持ちで、明治天皇崩御の直後に自決したんです。
佐藤 私はちょっと意見がちがいます。逆に、乃木希典は名将だったと思っています。彼が天皇に対して申し訳ないと思ったのは、西南戦争で、薩摩軍に軍旗を奪われたことだと遺書に書いてあります。だいたい部下を殺したことに責任を感じて自決するような情緒的な人に、軍の司令官なんてやっていられないですよ。その点、私が外務省にいたころの幹部の人たちのほうが乃木さんよりよっぽど精神的に強い。機械的な計算で自分の出世だけ求めて、部下の犠牲は屁とも思っていない。最強の陣容です(笑)。
立花 それはもう官僚制度の本質的な問題ですよ(笑)。部下の死を何とも思わない。将功なりて万骨枯るが当たり前。これは日本社会の精神文化の伝統なのかもしれない。死者の山が築かれたあとにその死の責任を問うことなど全くせずに、ただただ死者の多さを詠嘆調に嘆き、「海ゆかば、みづくかばね」のような音楽をそえることで、その死の事実に一種の美学的価値を与えてしまう。
話がいきなり外務省に飛んでいるところもすばらしい。やはり「伏魔殿」なのかな。
出典:ぼくらの頭脳の鍛え方、立花隆 佐藤優、文藝春秋
集中力の最大の敵‐それは子孫繁栄の心(今さら書くことはないか)
以前たしか柳美里だったと思う、思春期は頭の中が異性のことでいっぱいで勉強も大変だということを書いていた。よくぞ女性がそういうことを言ってくれたと感動した。やはり芥川賞をとるだけのことはあるな。とてもセクシーだ。
当たり前のことだが、まったくそのとおりである。個室にこもったりするとろくなことはないのだ。だから、家の中で勉強する場合も少しは周囲の監視の目がなければだめなのである。もちろんよくできた子はちゃんと本当にたった一人で集中力を発揮して勉強をするのだろう。じゃなければ難関校に合格するわけがない。あるいは何か「秘策」を持っているのだろう。私は秘策がなかったので、たとえば、高校受験のための本格的な勉強はとうとう中学最後の冬休みにしかできなかった。(各科目40時間シリーズという超便利な薄い参考書を買ってきてダイニングルームで二週間くらい集中した)。
その点、僕たちおじさん族は有利だ。なぜなら、青少年よりも集中できるからだ。よく中年以降は集中力が低下してくると言われる。それはたぶん絶対的な集中力のことを指しているのだろう。総合力、つまり相対的に見れば、おじさんの勝ちにちがいない。夜だってかなり長く大人しく書斎の椅子に座っていることができる。街にさかんに繰り出している人のことは知らない。
この機を逃してはならない。こんなにいっぱいいろいろなことが頭に入る時期はないのである。この10日間でほんとうにそのことを実感している。その訳はまた少し先に書こうと思う。青少年諸君、見ていなさい!
ゲーム機で空爆練習
イスラエルは人口が少ないので兵士が死ねば軍は国民から非難を浴びる。そのため、イスラエル軍はゲーム機を使って、若い軍人に無人爆撃機の操縦方法を教えるという記述が文春新書「ぼくらの脳の鍛え方」の中にある。
さて、BBCの今日の記事
US warned on deadly drone attacks
The US has been warned that its use of drones to target suspected terrorists in Afghanistan and Pakistan may violate international law.
UN human rights investigator Philip Alston said the US should explain the legal basis for attacking individuals with the remote-controlled aircraft.
米国、無人爆撃機による空爆で警告
アメリカは、アフガニスタンとパキスタンで、テロリストと思われる人々を無人爆撃機で攻撃してきたが、この行為は国際法違反の可能性があると警告を受けた。
国連人権調査委員 Philip Alstonは、リモコン爆撃機を使った人間攻撃の法的根拠を説明するようアメリカに求めた。
Windows 7 の 7 ってなに?
「Windows 7 の 7 ってなんでしょうか?」という質問がYahoo 知恵袋に載っています。
「内部バージョンが7なんですよ」という答えがベストアンサー。僕もはじめて知りました。ありがとうございます。
フランスのマンガにこういうのがあります。
“Windows 7″ C’est la 7eme version du logiciel?
Ah non pas du tout, le 7 c’est pour 2007. Il sort avec 2 ans de retard.
“Windows 7″ の 7 は、ソフトウェアのバージョンなの?
いや、そうじゃないんだ。2007年の7さ。発売が2年遅れたんだ。
ところで、私はフランス語は得意ではありません。変なところがあったら、どんどん非難してください。
死刑廃止で性犯罪者去勢論議
今度の法務大臣は死刑廃止に積極的なようですが、フランスでは死刑廃止により国民のフラストレーションが高まっているようです。
Castration physique : et si on “amputait la main des voleurs” ?
Répondant à la volonté affichée par la ministre de la justice, Michèle Alliot-Marie, d’ouvrir le débat sur la castration physique des délinquants sexuels, le Syndicat de la magistrature a ironiquement prôné, vendredi 23 octobre, l’amputation des mains des voleurs, de la langue pour les escrocs et du foie pour les conducteurs surpris en état d’ivresse, ainsi que la lapidation des casseurs.
性犯罪者の肉体的な去勢: 泥棒の手を切り落とすのか?
法務大臣の、性犯罪者の肉体的去勢に関する見解に対し、司法官連盟が皮肉で応戦しています。「それじゃあ、泥棒の手を切り落とすのか?詐欺師の口をむしり取るのか?酒気帯ドライバの肝臓をえぐり出すのか?」
「中世に戻るのか、文明の退化だ」という声ももちろんあります。しかし、この議論の背景には、死刑の廃止に対する国民の欲求不満があります。記事を読む場合はそういうことにも注意しなければなりません。
ところで、私はフランス語は得意ではありません。変なところがあったら、どんどん非難してください。
陰と陽の関係も弱めるグローバルスタンダード
いきなりだが、最近、陰と陽の引き合う力がますます弱くなっているのではないかと感じた。ありきたりの見方から言うと、冷戦以後、何から何まで一つの基準に合わせようとする傾向が強くなっているからだろうか。ウイキペディアでは、陰と陽のことを次のように説明している。
陰陽(いんよう)とは、古代中国の思想に端を発し、森羅万象、宇宙のありとあらゆる事物をさまざまな観点から陰(いん)と陽(よう)の二つに分類する範疇。陰と陽とは互いに対立する属性を持った二つの気であり、万物の生成消滅と言った変化はこの二気によって起こるとされる。
この横には、あの勾玉のような太極図が描かれている。Tシャツなんかにもときどき付いているやつだ。これが突然真っ白あるいは真っ黒になってしまったことを考えてみたい。どうだろう、まるっきり面白みがなくなってしまうのではないか。
さらに身近な例で言えば男女の関係である。やはり引き合うことが大切だと思うのだが、そこではある程度の男らしさ、女らしさを演出していくことが重要だろう。今マスメディアなどに流布している男らしさ、女らしさは単なるエログロである。あれでは奮い立つということがない。
私はここで、今は亡き一人の作家のことを頭に思い浮かべた。向田邦子さんである。何しろ、『男どき女どき』という作品があるのだ。
日本語では何と言うのか:アメリカでは不公正、不誠実に金を手に入れるという
THE WALLSTREET JOURNAL が日本郵政の社長人事にひとこと。
In America, it is called cashing in. But Japan has a more elegant term for ex-bureaucrats who get cushy positions at private firms and semistate entities they used to oversee. It is called “amakudari,” or descent from heaven. Heaven being the top echelons of bureaucracy.
日本語では何と言うのか:アメリカでは不公正、不誠実に金を手に入れるという
退職した官僚が民間や準国営の機関の適当な職につくことをアメリカでは、「キャッシュイン」と言うが、日本では優雅に「天下り」という言う。天というのは、官僚の「最上階」という意味だ。
民間14年
鳩山首相は21日夜、日本郵政の西川善文社長の後任に斎藤次郎・元大蔵事務次官が内定したことに関し、「斎藤氏は大蔵省を辞めて14年たっている。14年たった方を『脱官僚』だから駄目だと言うのか、という思いがある」と述べ、「天下り」批判は当たらないとの考えを示した。
1993年6月 - 事務次官。1995年退任
1995年 - 旧大蔵省 財政金融研究所 顧問
1995年 - 旧大蔵省 社団法人研究情報基金 理事長
1995年 - 旧大蔵省 財団法人国際金融情報センター 顧問
2000年5月 - 東京金融先物取引所理事長就任
2004年4月 - 東京金融先物取引所株式会社化に伴い社長に
この14年間に受領した一連の天下り・渡りの退職金は
約3億6千万円
ストリップブックとは?
Michal Mooreの”DUDE, WHERE’S MY COUNTRY?”の目次の前に見馴れぬ文章を発見した。
If you purcase this book without a cover you should be aware that this book may have been stolen property and reported as “unsold and destroyed” to the publisher” to the publisher. In such case neither ther author nor the publisher has received any payment for this “stripped book.”
カバーがない本は、盗まれ、出版社に「販売されず破壊された書籍」として報告されている可能性があります。その場合、著者にも出版社にも金銭は支払わていません。
この注意書き、他の本にも書いてあるんだろうかと思い、数冊チェックしてみた。
注意書きがあるもの。
Danielle Steel “ACCIDENT”
Judith McNaught “Every Breath You Take”
Denene Millner “DREAMGIRLS”
R.D.Wingfield “FROST at Christmas”
Ccandace Bushnell “SEX AND THE CITY”
注意書きがないもの。
Orhan Pamuk “Snow”
Jane Austen “PRIDE & PREJUDICE”
Jodi Picoult “The Pact”
あるものとないものの区別はよくわからなかった。出版社によるものか、出版年度によるものか、それとも流行ものと純文学との違いか。日本の本にも書いてあるのかな?
Windows 7 すでに発売?
中国は2年以内にGDPで日本を抜くと言われているのですが、さすが中国、Windows 7も早い! (何が?)
Journal du Net にこういう記事が載っています。
Windows 7 déjà disponible en Chine, en version pirate.
Lundi 19 octobre 2009, 14h03
Windows 7 est déjà disponible en Chine, mais en version pirate. C’est le constat que dresse le New-York Times, qui a réalisé une enquête sur les marchés électroniques de Shanghai.
Windows 7、中国市場に出回る。
中国で Windows 7 が発売されました。といっても、ニューヨークタイムスによれば、これは海賊版。上海の電子市場で調査が行われている模様です。
そういえば、秋葉原の路上海賊版も外国製だったような気がします。海賊版は、そのソフトウェアに携わる多数の人々に経済的な打撃をあたえます。勘弁してよ、です。


